ナルミズ沢遡行活動報告

活動日 2007年11月24日
活動場所 神奈川県秦野市水無川支流セドの沢 右俣
メンバー 3回生:飯島 2回生:寺内 1回生:宮城
活動の目的・目標
  • ハーケンを用いた登攀技術・ザイルワークを実践で学ぶ。またはそれらの完成度を高める。
  • 今年度中に1回生の宮城にランニングビレイでの登攀を経験させる。
  • 各自の技術向上、体力・精神面でのレベルアップを図る。
タイムスケジュール 7:00(本厚木駅出発)−8:00(滝沢園)−9:58(作治小屋到着)−10:05(水無川入渓)
−10:15(本谷F1)−10:20(セドの沢入渓)−10:25(F1)−10:30(F2)−10:36(二俣)
−10:40(F3)−11:05(F3登攀開始)−12:25(F4)−13:00(F5)−13:35(F6)
−14:35(政次郎尾根)−15:40(作治小屋到着)−16:55(車デポ地点到着)
主観的評価 総合グレード(F5まで):★★★☆☆☆☆☆☆☆(中級)
F3は技術・知識がない人だけでは登攀は難しいが、それでも初心者の登攀は不可能では無い程度。
F3以外の滝もなかなか難しく、巻くのも一苦労。
遡行距離、下山距離ともに短く、登攀練習するにはなかなか良い沢であると思う。

05:25 寺内、自宅カーで高尾駅に到着。

05:38 飯島、高尾駅で合流。そのまま宮城を迎えに南下する。

07:00 宮城、本厚木駅で合流。これでメンバーがそろった。

07:10 みんな朝食がまだっぽかったので、近くの吉野家に入り朝食。今日の活動について打ち合わせをしていた。

07:50 戸川駐在所に立ち寄り、今回の活動計画書を提出した。帰りに寄った際聞かされたが、このように計画書を提出に来る人はまずいないらしい。目の前の交差点を曲がり、作治小屋を目指す。
08:00 あろうことか通行止めになっていたので立ち往生。結局車で行けたのは滝沢園までで、そこから先は災害のため車両通行止めということになっている。先に現地に来ていた登山者は「まだ車で行けそう」と車両通行止めの看板横を通り過ぎていったが、すれ違うことが出来るのか、引き返せるのか、一応通行止めだから何か言われないかと考え、とりあえずここで準備をすることにした。

08:53
 先に行った車が帰ってこないところをみると、おそらく先には進めるのだろうが、一応念には念をということもありここから入渓まで歩くことにした。ちなみに車デポ地点から作治小屋までおよそ4.5kmある。

09:58 遂に作治小屋に到着。すでに予定時刻を大幅に過ぎていた。作治小屋までの道には幾つかの駐車スペースや小屋があり、そこには通行止めになっているにも関わらず、多くの車が止まっていた。
作治小屋を越えると、もう目の前には大きな堰堤の落ち口と水無川を目にすることが出来る。政次郎尾根や書策新道との合流地点を越えながら進み、一度水無川を越え、折り返した辺りに入渓できるポイントを見つけた。

10:05
 水無川本谷入渓。多くの堰堤が目立つ。どれも右岸に鎖や階段が添えつけられていて、簡単に突破することが出来る。先行者の足跡が幾つも見えた。
10:15 水無川本谷F1(10m)。左側の岩壁には鎖があり、とても登りやすい。ただでさえ時間が押しているのでここで時間を使うわけにもいかず、全員鎖を使い登った。

10:20 滝上にすぐ「セドの沢入口」のプレートがあり、二俣になっている。もちろんセドの沢の方へと進む。ここまでプレートで滝名・沢名を表示してくれている沢は初めてなので、とても新鮮だった。もちろん地形図でも位置は確認する。
10:25 セドの沢入渓後、本当にすぐのところにF1(5m)がある。左に鎖もあったが、そっちの方がかえって難しそうで時間がかかりそうなのでここは直登した。
10:30 登るとすぐ右手にF2(6m)が現れる。右から取り付き水流の中を登った。この日は意外と暑かった上に散々歩きまくっていたので、軽く水を浴びるくらいだと、むしろ快適だった。

10:36 すぐに二俣になる。ここも右俣・左俣とプレートがあり、非常にわかりやすい。
10:40 右俣に入るとすぐF3(8m)が見える。ここは最初は2段滝に見えたが、どうやらF3は上の部分だけらしい。トイ状でどう見ても滑りやすそう。ぱっと見ただけで残地ハーケンがひとつ確認できた。スリングもかかっていて認識しやすい。ビレイが取れる木も後ろにあり、さっそく準備することに。
11:05 登攀開始。寺内→宮城→飯島の順で登る。最初のハーケンまでは簡単に行くことが出来る。ここは残地を借り、カラビナを付け先に進む。2〜3m進んだところでさらにハーケンを打った。ここの辺りが一番バランスが難しく、足で突っ張りながら行く。ようやく落ち口が見えたところで残地ハーケンを3個ほど見つけた。また残地を使い、ヌンチャクを設置。上にあがったところで、落ち口左側の岩壁にビレイ用として打ち付けてあった3個のハーケンとスリングがあった。カラビナ等の回収は飯島が行った。
12:25 F3落ち口すぐ横にあるF4(8m)。F3に時間をかけすぎてしまったので、これは左の草付きから巻くことにした。草付きを登ればすぐに落ち口まで行くことが出来るが、ショートカットしようとしてそこから右の岩壁を行くと、ほとんどのホールドがボロボロと崩れ落ち、かえって難しい。
F4を過ぎてからはゴーロ帯が続いた。落ち葉が多く、足場が見えにくい。
途中左岸に支流が入る。方角を確認し先へ。
今まで滝が連続で出てきたので今回の沢でゴーロ歩きは(水無川本谷を除けば)これが初めてだった。

13:00 
しばらくしてF5(15m)。過去の遡行記録によれば2段とあるが、ぱっと見た感じ3段に見える。なぜかこの滝のみプレートが見つからなかった。1段目の落ち口までは右側を行き、2段目は左壁を行った。
F5を越えてからもまたゴーロ帯が続いた。すぐに右から枝沢が入り、しばらく進むと左からも枯れ沢が入っていた。

13:35 遂に現れたF6(2段35m)。プレートが無かったとしても、非常にわかりやすい。とにかく今までの滝とはスケールが違う。本当は締めにこれを登攀してレベルアップしたかったのだが、すでに予定遡行時間を過ぎ、そして過去の経験(このグレードの登攀に何時間かかるか)から、なおかつ、下山にまた1時間以上の歩きがあることを考慮し、非常に残念ながら今回は巻くことにした。左側からも行けそうな気がしたが、右側のガレ場を行く。だが、ガレ場はとにかく砂利、浮石が多く、変なルートを行ったり、間違ったホールドをつかんだりするだけで、ものすごい数の落石が発生するという厄介なところだった。

しばらく進むが滝の落ち口へ向かう気配がない。が、左に行けるガレがようやく現れ、沢の方向へ登っていく。砂利がずっと続き、とても登りづらかったが、ようやく笹が増え始め登りやすくなってくる。ある程度平面に近くなってくると獣道を発見することが出来た。非常に歩きやすくなり、北を目指す。すると何とここにきて尾根に出てしまった。どうやら登る場所を一つ間違えたようだったことにここで気付く。しかし今から降りて登り返すのも時間が無いため、今回はこれで遡行を終了し、そのまま政次郎尾根に突き上げることにした。尾根は獣道こそあるが、笹が多く人が通っている感じではない。尾根を登り始めた頃、谷を挟んで反対側の斜面に鹿がいることに気付く。さっきからガサガサいっていたのはこいつか。写真を撮ろうとしたが谷へ降りていってしまった。少し元気が出て、頑張って尾根を進む。
周りの木が人の手で切り落とされていることに気付き、そろそろかと歩いていたとき、遂に政次郎尾根に出ることが出来た。先を見ると人も歩いている。ちゃんとしたルートのようだ。

14:35
 下山開始。政次郎尾根はそこそこな傾斜で歩きやすい。同じような道が続くため同じペースで歩くことが出来る。

15:40 作治小屋に到着。ここからはまた長い道のりを行かなければならない。だがずっと下りの上、舗装されている道なのでとにかく歩きやすかった。途中歩きながら車がちゃんとあるかどうかですごく不安になっていた。

16:55 車デポ地点に到着。ちゃんと車はあった。本当によかった。ただ落ち葉がかなり積もっていた。すでに暗くなり始めていたので、すぐに帰り支度をする。
帰り道、まず戸川駐在所に挨拶に行き、みんなで夕食をとってから各自解散した。

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