ナルミズ沢遡行活動報告文:寺内

活動日 2008年8月28〜9月3日
活動場所 鹿児島県熊毛郡上屋久町 屋久島 大川(おおこ)〜荒川林道
メンバー 5回生:塚崎 3回生:寺内、君島 1回生:竹田、田代、本郷、吉川
使用した装備 今回は特に使用せず。(8mm40mザイルを持参)
参考資料 葦書房 『九州の沢と源流』 、 南方新社 『屋久島の山岳』
活動の目的・目標
  • 現在も未だ残る大自然の地において、その雄大さを直に感じる。
  • 今まで行ってきたプレで培ってきた技術を活かし、充実ある活動にする。
  • 難易度の高い沢遡行により、己の限界の底上げを行う。
  • いつも通り、体力・精神力・技術力、そして経験値の向上を図る。
タイムスケジュール 1日目:10:30(川崎駅集合)〜

3日目:12:30(宮之浦港到着)−15:10(バス乗車)−16:50(栗生到着)−17:45(大川の滝)
     −18:13(大川林道入口)−20:00(上大川橋)

4日目:05:30(起床)−08:15(出発)−13:30(ゴルジュ付近)
     −16:30(標高1000m地点テンバ)−21:30(就寝)

5日目:06:30(起床)−10:17(二俣)−11:38(七ツ渡)−13:16(花山歩道渡渉点)
     −13:18(鹿ノ沢小屋)−14:50(出発)−16:20(永田岳)−20:20(新高塚小屋)

6日目:07:30(起床)−09:10(出発)−09:58(高塚小屋)−10:18(縄文杉)
     −11:58(ウィルソン株)−13:05(大株歩道入口)−15:30(荒川登山口)
     −17:00(バス乗車)−18:00(安房到着)
主観的評価 総合グレード:★★★★★★☆☆☆☆(中級)
とにかくスケールが大きかった。
序盤から最後まで続いた巨岩、そして多くの苔達が屋久島らしさを表現していた。
難易度的にはそれほど高くなく、ビバーク有り&怖い高巻き有り&長行程というだけ。
登攀要素の高い滝も無く、ザイル・登攀具は使用しなかった。
七ツ渡からは割と平坦で楽々進める。
鹿ノ沢小屋〜荒川登山口までは長距離だが道は簡単。
遡行図が古すぎてあまり当てにならず、高度計があったことでなんとか位置を把握できた。

一日目

10:30 各自青春18きっぷを手に川崎駅に集合した。
これから地獄のような移動が待っていると思うと泣けてくる・・・。
東海道本線に乗り込み鹿児島駅を目指す。

ギリギリまで切り詰めたスケジュールだったのだが、
雨のためか線路が陥没し、電車が停滞するというトラブルが発生した。
頼むよJR東海・・・。

その後かなり遅れたが先に進むことが出来た。
だが、この遅れにより翌日までに鹿児島には着けなくなった。
仕方なく行けるとこまで行き、
そこからギリギリ鹿児島まで行ける駅までタクシーを使うことにした。
幸いにも隣駅に移動するだけだったのだが、それでもかなりの距離があった。
写真はタクシーの待合室。

ニ日目

04;25 結局、隣の三石駅に着いたのは夜遅く。
始発は一時間後だったため、各々あまり寝ることは出来なかったのだが、
長時間の電車移動では幾らでも睡眠時間は確保出来たのでその点は良かった。

わざわざタクシーを使ったにも関わらず・・・事件は起きた。
何と大雨の影響で電車がまた停滞したのだ。

だが、ここでは対応が早く、本郷駅〜白市駅間で臨時バスを何台も出し、
先に移動することは出来た。
とは言っても、当然この日の鹿児島入りは無くなり、フェリーに間に合うか怪しくなる。

さらにまた事件が。
急いで時間を検索したため、うっかり肥薩おれんじ鉄道に乗ってしまった。
当初は宮城県から回ってくる予定であったため18きっぷが使えるのだが、
熊本から来た場合はこの私鉄に阻まれるため、有料になってしまうのです。
時間の関係でいまさら戻ることも出来ず、仕方なしに今夜の目的地出水駅へ。
ああ、出費がかさむ・・・。

三日目
07:50 おれんじ鉄道経由で鹿児島駅に到着。
フェリーの出発は40分後に迫っているので、ここでも仕方なくタクシーを利用。
フェリー屋久島2の発着場である鹿児島南埠頭へ急いだ。

08:00 南埠頭に到着。
あせったが切符の購入は出来た。

乗船しようとしていた時に、新潟大学探検部と出会った。
彼らは宮之浦岳に登るらしい・・・。

12:30 宮之浦港到着。
雨こそ降ってはいないが曇りのせいで山が全く見えない。

バスの時間を一本遅らせて、昼食をとることにした。
15:10 栗生行きのバスに乗車。
車窓から景色を眺める。

次第に天候も良くなり、山々が良く見えるようになった。
さらに透明な海も眼下に広がり、非常に期待が持てる。

16:50 栗生から少し進んだところで下車。
バスの運転手が気を利かせてくれた。

そこから歩いて大川の滝へ。
意外と道路が長く退屈していたけど、
多くのカニや猿が現れて気を紛らわせてくれた。
17:45 大川の滝に到着。
道路からでも明らかにでかすぎる姿が見えた。

本当に近くまで寄ることができて、その迫力をまじまじと味わった。
周りには割と観光客もいた。

とてもじゃないが登れないので高巻く。

18:13 道路を少し手前まで戻り、大川林道に入る。
ここから急な坂道を延々と進む。

遡行図には「最も接近したところから入渓」とも書いてあるが、
なかなか難しそうなので上大川橋まで行ってしまうことに。
どんどん暗くなり、ヘッドライトを点けながら歩く。
20:00頃 上大川橋に到着。
ライトで照らして見るが、かなり増水してそうな様子。
特に音が凄まじい・・・。

橋の少し手前には水場と花山歩道の入口と案内板があった。

人が来ても通れるようにと橋と歩道入口の間にタープを張った。
しかし、実際には早朝に車が来て、通れなかった様子。
申し訳ないことをしました。
でもあんなとこまで車で来るとは・・・。

四日目
05:30 起床。
朝食と沢の準備に取り掛かる。

ここでまた事件が。
隊員の本郷が体調不良のため沢登りに参加できないことになってしまった。
散々迷ったのだが、本人の屋久杉が見たいという強い希望もあり、
この道の先の登山道で合流することになった。
この花山歩道を進めば大川の源頭部とぶつかるし、
登山時間からしてこの日は先に鹿ノ沢小屋で泊まることもできる。
多少不安だったが、わざわざ下まで戻りバスに乗って他の長い登山道を一人で行かせる方がやばそう
だったので、最も早く沢組と合流できるこの方法を取った。

08:15 めちゃくちゃ遅れながら遡行開始。
上大川橋すぐ横、左岸から伝って降りる。
最後の降り立つ部分には、古いが残置スリングもあった。
入渓当初からかなりのでかさの巨岩が続く。
そして大水量の水が絶え間なく降り注いでくる。

天気は晴れで、実に心地よい。
早くも腰まで浸かるところが幾つかあったが自ら跳んでいった。

そして早くも遡行図が良くわからなくなっていた。
遡行図を2種類用意してきたが、書いてあることが双方でかなり異なり、
もはやどれがどの滝だとかはとっくにわかっていなかった。
しかし、その水量のおかげで、多少支流(?)があったとしても、
明らかに本流がわかり、たとえ読図をしなかったとしても道に迷ったりすることは全くなかった。

とりあえずはどちらにも書いてあるゴルジュ地点を目指す。
09:17 大川で一番でかかったプールに到着。
透き通った水が幻想的で、照りつける太陽が泳ぐことを後押ししている。

ここで長めの休憩をとって、思う存分水遊びを楽しんだ。
やっぱ沢はこうでなくっちゃ。
相も変わらずゴーロ帯が続く。
スケールがでかすぎて、いちいち疲れる。

適度に休憩を挟みながら遡行を続ける。
12:35 快適な遡行中、アクシデントが発生した。
右の写真だとわかりづらいが、ここは6〜7mの滝の落ち口で、
今最後の一歩を進もうというところ。

吉川、田代は問題なく進んだのだが、寺内が足を滑らせ流れに落ちてしまった。
当然、落ち口ということもあり流れが急で、何も出来ないままそのまま滝を滑落していった。
やってしまった。
下はあまり釜にはなっておらず、滝から放り出されて膝くらいの浅い部分に着地した。
そのまま流されて、下流部に居た竹田、塚崎に助けられ何とか岸に。

正直かなりやばい怪我でも負ったかと思ったがそんなにひどくなく、
休憩を取ってから、ザックを軽量化して再出発した。

(結局骨には異常はなかったが足と尻部分に炎症と内出血が起こり、まともに歩けない上、座れなくなった。)
気付いたら目安となっていたゴルジュ地帯に入っていた。
最初は右写真のようにちょっとゴルジュっぽい感じなだけだったが、
次第にその姿は大きくなり、高くそびえ立つ、立派なゴルジュへと変わっていった。

ゴルジュ内の核心部であった10m滝はあまりにもすごすぎて左岸から高巻いた。
非常に危ない角度の坂を、腐った根っこを伝いながらトラバース。
この沢遡行で一番ヒヤヒヤさせられた部分だった。
そしてあまりにも切羽詰っていて誰も写真を撮っていなかった。

ここからはゴルジュが抜けた後もしばしば巻きが多くなる。
巻き道は決まって腐った木と苔で出来ているジャングルを進み、
非常に歩きにくく、簡単に全てが崩れそうであった。
16:30 ゴルジュ帯も抜け、そろそろテンバを見つけたい。
標高1000mの地点で辺りを偵察し、テンバを探した。

好環境とはまるで言えないが、ギリギリのスペースを右岸に見つけ、
この日はそこでビバークすることになった。

前日の雨もあり、周りは湿っていて、全く焚き火は出来なかった。
これによって弊害が発生。
焚き火に頼ろうとしていたためガス缶の残量がより少なくなってしまった。
服類は一切乾かすことも出来ずに就寝することになった。
必死に焚き火を作ろうと、身の回りの燃やせるものや固形燃料等がかなり犠牲になった。

21:30 就寝。
若干雨が降ってきたが、結局は晴れて、夜中星空を見ることも出来た。

五日目
06:30 起床。
ガスがもったいないのと、いち早く本郷に合流したいので、朝食は行動食のみで出発。

前日にゴルジュを抜けてから、より苔と屋久杉が目立つ。
辺りは緑に包まれ、なかなかな樹海っぽさを味わいながらの遡行となった。

10:17 遡行図にある同水量の二俣。
標高は文章と同じく1250m前後。
七ツ渡(永田歩道との合流点)まではあと少し。
沢は急激に水量が減り、またゴルジュが形成されてきた。
遡行図には『15mゴルジュ』と書かれている。

ただでさえ狭いというのに、巨岩が積みあがり、CSがゴロゴロしていたため、
適度に巻きながら進む。

ようやくゴルジュ内ゴーロを抜けたと思ったら、今度は倒木帯。
倒れている屋久杉と巨岩の合間を潜り抜ける。

少しばかり苦戦していると、沢はいきなりぱっと開け、よく見ると虎ロープと赤テープがある。

11:38 遂に七ツ渡と呼ばれる渡渉点に到着。(写真右)
標高は1450m前後。

遡行図には、次の渡渉点まで倒木やゴーロで困難な道が続くと書かれており、
本郷と一刻も早く合流したかった我々は永田歩道に入った。
わずか10分ほどで次の渡渉点。
急に沢はナメ床が広がり、なだらかな様子になった。
どちらの遡行図にも、ここから先の遡行こそが最も楽しい部分と評していたため、
どうせ登山道を行こうが大して変わらないと予想した我々は遡行を再開した。

今までになかった綺麗なナメ床、浅く趣のある釜、随所に見られるポットホールが気分を変えてくれる。
特にポットホールがすごく、中には人が丸々入れそうなものもあり、
上大川橋付近とは全く異なった面を見せてくれる。
途中、写真のようなわかりやすい小滝が3つ続く。
難なく越えて行くと、沢は水量が激減し、足首ほどの浅さの道を作っていた。

わかりやすい谷の地形に、歩道のような幅の沢道が続く。
ここらあたりでブッシュが現れ始めるが、左岸に上手く避けられる通り道があるので利用する。

少し開けたところが二俣になっていたが、左はブッシュがすごく、わざわざここを進む必要もないので、
花山歩道とぶつかるであろう右を選択。

右を行くとすぐに花山歩道の渡渉点を発見。
全然迷わず、ストレートに花山歩道まで来れてしまった。あっけない。
13:16 遡行を終了し花山歩道を行く。
と1分もしないうちに人が前に居る。

本郷だった。

普通に歯を磨いていた。
元気そうで何より。
どうやら早朝に車で来ていた方々と合流でき、半分以上一緒に行動したのだそうだ。
しかも夜にはカレー等をもらい、裕福な山小屋生活をしていたらしい。
なんとも羨ましい・・・。

本郷と会った水場から20秒ほどで小屋が見えた。

13:18 鹿ノ沢小屋到着。
これにて大川遡行が終了した。
残しておいたガスでカップラーメンを頂き、今度はトレッキングの準備をする。
14:50 出発。
この日の目的地は永田岳経由、新高塚小屋。

かなり傾斜の強い登山道ではあったが、道はしっかりしていて歩きやすい。
途中ロープを使っての登りを強いられるところもあったが、問題ない。

序盤の天候は少し雨だったのだが、すぐに止み、見事に晴れてくれた。
今回の活動の天気は素晴らしい。

16:20 永田岳山頂。
山頂まではロープを使い岩登りをする。
写真のように花崗岩がゴロゴロしていて、山頂の看板には立つスペースがあまり無い。
ここが本当に頂上なのかと疑っていた。
このまま新高塚小屋まで行くのだが、一つ問題が発生。
寺内が怪我の影響で、明らかにスピードが出ない。
かと言ってこのまま全員で行ったのでは確実に夜になってしまう。
そこで、仕方なく寺内・君島の2人で後から追い、1年生達は先に下山することになった。
幸いにもここの登山道はかなりの整備具合で、道が木の板で舗装されている上、
案内板が随所に設置されていた。
いろいろな登山道を行ってきたが、正直ここまで整備されているところは初めてだった。
とはいえ、高塚小屋から荒川林道までの道は完璧に遊歩道化しているが、
ここ永田岳から新高塚小屋までの間は、そこまで整備はされておらず、
あくまで登山道にしては歩きやすいレベルであった。

というわけで、この2人なら分隊して夜になったとしても確実に小屋には着け、
もしムリそうでも1日ビバークし翌朝歩いて合流出来るだろうと判断し、
それぞれのペースで進むことになった。

結果的に言うと、実際そこまで離されず、30分も遅れず合流できた。
下山に使用した道は最初は芝生と花崗岩広がる雄大な景色が眺められる。
何とも意欲が沸きあがる道で、それだけで小屋に行くという気力が復活した。

途中何頭かヤクシカと遭遇した。
急な斜面から顔だけ出してこっちをじっと見つめている。
もののけ姫を思い出しながら下山を続ける。

この登山道に限らず、屋久島の登山道には水場が非常に多かった。
いたるところから水が湧き出ていて、全く水に困らない。
湧き出たばかりの清水は冷たく飲み応えがある。
沢で汲んでおいた水が余計に重く感じてきた。

19:30頃 辺りは段々と暗くなり、ヘッドライトの準備に取り掛かる。
夜を避けて分隊したのだが、結局はどちらも間に合わず、
双方ヘッドライトを点けての下山となった。
星空が広がっている。

20:20頃 新高塚小屋に到着。
小屋は色々なグループで満員で、外の廊下にも幾つかテントが張ってある。
仕方ないので外のベンチで夕食を済ませた後、小屋のわずかなスペースと
外のベンチとで別れて寝た。
寝ている小屋のグループに気を使い、静かに行動していたのに、
小屋のグループはかなりの早朝に起き、がやがやと騒がしく朝食を食べて出て行った。
それで目を覚ました外寝組は小屋に入り再度就寝した。
あのマナーの悪さは一体・・・。

六日目
07:30 起床。
今日も良く晴れている。
いよいよ縄文杉が見れると皆テンションが上がる。

小屋の周りには多くのヤクシカが集まっていた。
えさを求めてか、居心地がいいのか・・・。
そこまで人には慣れきってないらしく、触ろうとすると逃げてしまう。

09:10 出発。
さすがにこの時間に出発する人はいないので小屋はうちらだけ。

のんびりと舗装された道を進む。
09:58 高塚小屋に到着。
あまりにもあっけなく着いてしまい拍子抜け。
道が簡単すぎる。

ここにも鹿が居たのだが、新高塚小屋付近より人に慣れていて触ることも出来た。

ここで少し休憩を取り、いよいよ縄文杉へと向かう。
10:18 縄文杉と対面。
登山道の途中にあった。
周りは高台になっていて、写真を撮るスペースなどがしっかりと確保されている。

明らかに周りの木とは雰囲気が違い、妙にしっかりとした木だった。
太陽に照らされて輝く緑がまたいい味を出している。

現地は人であふれていた。
時間が経つと余計に増えていく。
ここで集合写真を撮り、縄文杉を後にした。

高台のすぐ下には水場もあり、休憩するにはうってつけの場所と言える。
11:58 ウィルソン株に到着。
ここもまた趣深く、いい所だった。
株の内部に入ることが出来、中には湧き水が流れていた。

水場もあるということで、ここで昼食にした。
飯が喰いてぇなぁとみんなでつぶやいていると、
もう帰るという方々におにぎりや漬物などを頂いた。
ものすごくありがたかった。

出発間際、急に雨になる。
まぁ小雨なので鬱陶しいほどではないのだが。
13:05 大株歩道入口。
急な階段を下りると、そこはトロッコ路線と綺麗なトイレが待っていた。

またまた水場もあり、少しだけのんびりした後、再度出発する。

とにかく長く平坦な線路が延々と伸びている。
階段でない分歩くスピードも上がり、快適に進んでいく。

14:02 楠川分れに到着。
白谷雲水峡に行く場合はここを曲がるが、我々はそのまま荒川登山口を目指す。

14:30 小杉谷休憩所に到着。
いよいよ大詰め。
最後の歩きに力を入れる。
15:30 荒川登山口駐車場に到着。
ようやく長い道のりが終わった。
バスの出発は17時だったので、それまでのんびりと過ごすことに。

駐車場にはカキ氷の店が出ていた。
300円だったが、皆で飛びつきガッツリ頂いた。
雨の様子はもうなくなり、次第に晴れてきた。

17:00 バスに乗車。
景色を楽しもうかと思ったが、みんなで爆睡していた。
18:00 安房到着。
ここからは明日のフェリーまで全く予定が無い。

とりあえず福井先輩が話していた占い師を探してみた。
観光案内所で聞いたところ、地元では有名な人らしく、すぐに見つかった。
統計に基づく占いらしく、よく当たるとのこと。
ただ、本業としてやっているわけではなく、道端で話してもらうというものだった。
みんなただで占ってもらった。

占いの後は港へ行き、夕食場所さがし。
近くにれんが屋という店があったので入る。
割と安い品々で安心。
思いっきり料理を楽しんだ。
れんが屋を出た後、洗濯物をなんとかしたかったメンバーのみコインランドリーに向かった。
残りのメンバーは酒屋に買いだしに行き、港にあるベンチで飲んでることに。

意外と洗濯に時間がかかり、23時半頃宴会組と合流。
屋久島銘酒「三岳」を楽しんだ。

七日目
08:00 起床して全員集合。
いよいよ屋久島の最後の日が来た。
フェリーは13時なので、とりあえず荷物を待合室に置き、自由行動にすることに。

待合室はクーラーがきいていて、ものすごく快適だった。

近くにはスーパーがあり不自由もしなかった。
適当に昼食を食べフェリー乗船時に再度集合した。
13:30 高速船ジェットフォイルトッピーに乗船。
行きと違い快適フェリーではないので少々窮屈。

15:30 早くも鹿児島に到着。
実に早かった。

屋久島の合宿はこれにて終了。
本郷は他の用事のためここで解散。
タクシーに乗って帰京。

対して他の6人は引き続き奄美大島の活動に参加。
寺内の怪我だけ心配だったが、計画者がいなくなるのもなんなので、
活動には参加しないが、奄美大島には行くことになった。


奄美大島の活動に続く・・・

各人雑感

寺内 今回は反省の多い合宿となった。
自分の事故もさることながら、事前準備や現地での判断など色々な点で厳しい点が目立つ。
とはいえ、それらも踏まえて多くのことを経験できたことには感謝したい。
決して肯定するわけではないが、今回は無事帰って来れたわけであり、
次回からの活動や計画に生かしていきたいと思う。
さて、さすが屋久島と言ったところで、そのスケールのでかさ、独特の雰囲気は他の谷とは一線を画していた。
特に湧き水の多さ、苔の群生の様子などには驚いた。
実際に沢という水源地帯、生物達の生活の中心を登ってきたため、
登山道だけでは味わえない屋久島の姿をしっかりと見てこれたと思っている。
それだけでも活動に対する十分な価値があった。
しかし、屋久島は色々な姿だけでなく多くの経験もさせてくれたのだ。
雨のせいであまりプレが行うことが出来ず、不十分な経験値だった1年達にとっても多くのものが得られたと思う。
そしてそれは自分も同じで、多くのことを学ばせてもらった。
事故のこともあるのできっぱりとは言えないが、良い合宿となったと思う。
正直、行くことが出来て良かった。まぁ大変だったけどね・・・。
君島 今回行った屋久島では私はあらゆるものと闘っていた。
後ろに背負う巨大で重い荷物、足の乳酸。
遡行、登山、下山にかかる時間の長さと闘い、夜は寝袋を持たず寒さと闘った。
装備不十分だったため周りの人にも随分迷惑をかけた。
しかしその他あらゆるものさることながら私を最も苦しませたのはガーリック臭である。
それはトマトの風味と共に私の脳裏に忌まわしい記憶として今尚残る。
しっかり閉じたと思っていたゴミ袋からパスタソース「トマトガーリック」の残液が遡行の序盤、
私のバックの中に流出された。気付いた頃時既に遅し。洗っても落ちぬ臭い。
かがむ度におこる微々たる風がそれを私の鼻まで運び、不快感を募らせる。
何度繰り返したことだろう。
石鹸で洗ってから変に臭いが混ざってより不快になった。
終始後ろの人にニンニク臭さを振りまきながら無事全日程終了。
その時清々しい空気と共に吸ったニンニク臭を私は忘れない。
その後先に家に送ったバックが原因で「家がニンニク臭い」との報告を受けるのはそれから数日後のことである。
田代 夏休みの目玉活動であった屋久島大川の沢登り。
行きの電車が大雨の影響で遅れるというハプニングがあったが予定通り屋久島に着き、
1日目は登山道を歩き入渓地点まで行く。実際この日が水もなく一番肉体的に辛い日だった。
2日目からは通常の沢登りであった。とはいえ、屋久島なのでそのスケールは大きかった。
最初はその風景に圧倒されていたが、時間が経つにつれ何度も同じような風景が続き次第に飽きていった。
沢内で初めてのビバークも体験した。劣悪な環境下での睡眠は思い出したくない。
3日目は沢をツメ、永田岳を制覇。もっと過酷なツメを予想していたため比較的余裕があった。
そして宿泊予定地である新高塚小屋まで降りる。そこで分隊してしまったがなんとか合流できて安心した。
夜は鹿と場所を考えないで調理をする登山者に悩まされたが良く眠れた。
最後は縄文杉などの名所に圧倒されながら下山。今までの辛さからすれば何ともない。余裕だった。
非常に長い沢登りで精神的にすり減った活動だった。
吉川 屋久島の沢は想像以上にスケールが大きかった。
テントなしの沢内ビバークは良い経験になったがもう二度と味わいたくない。
活動後に飲んだ酒がいつになく美味しかった。
いろいろトラブルはあったけど皆生きてたので良かった。

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