ナルミズ沢遡行活動報告

活動日 2008年6月15日
活動場所 神奈川県山北町 玄倉川流域 小川谷
メンバー 3回生:寺内 2回生:宮城 1回生:田代、竹田、吉川
使用した装備 今回は特に使用せず。(8mm50mザイルを持参)
参考資料 関東周辺沢登りベスト50コース、東京周辺の沢
活動の目的・目標
  • 夏の大きな合宿のプレとして適度な沢に行き、予行演習を行う。
  • インドアクライミング等で練習した技術を実践し、経験を増やす。
  • 普段の沢遡行で不足している泳力と冷水の耐久力を養う。
  • 各自の技術向上、体力・精神面でのレベルアップを図る。
タイムスケジュール 07:30(中央大学出発)−10:10(玄倉バス停)−10:40(出発)−11:15(立間大橋)
−11:21(入渓)−12:44(ゴカイ沢出合)−12:50(F1)−12:53(F2)−13:05(F3)
−13:23(F5)−14:21(大岩)−15:11(F11石棚)−16:28(F13トイ状滝)
−16:37(壊れた堰堤)−16:45(堰堤前で昼食)−17:15(出発)−17:30(登山道)
−18:18(穴ノ平橋)−19:22(玄倉バス停)−21:55(中央大学到着)
主観的評価 総合グレード:★★★★☆☆☆☆☆☆(中級)
圧倒的なゴルジュの連続。
深い釜もあるが、泳いで突破するところはほとんどない。
滝の迫力も見事で、高度感のある登攀もあった。
2段20m石棚の巻きは割と簡単だが最後が怖い。
アプローチが玄倉からの歩きの場合は素直に穴ノ平橋近くまで行った方が良い。
下山道がわかりにくい。何箇所か分岐もあるが、読図が出来れば容易。
今回、沢初心者の竹田が同行したが、問題なく遡行が出来た。

07:15 中央大学の近くにあるファミリーマートで集合。
大学は8時からしか入れないため、各自事前に装備を持ち帰り当日持参した。

移動手段は車。
寺内が自宅から車を走らせて合流した。

07:30 出発。
またも丹沢なので、いつもと同じ道を通り現地に向かう。

10:00 丹沢湖到着。
ここから東へ向かい玄倉林道を進み、穴ノ平(あなのたいら)橋へ行く予定だった。
しかし予定外の出来事が・・・。

林道の入口(ほとんど玄倉バス停の地点)からなにやら通行止めになっている。
「・・・あれ・・・?」
立てかけられていた看板には『電気工事の為通り抜け出来ません 東京電力』
のようなことが書かれていて、隣には人も立っている。
しかもその工事は6月15日の8時〜15時でやるらしい。
「なんだってこのタイミングで・・・・・!

近くにいた警官のアドバイスを受け、結局玄倉バス停の脇に駐車して、
徒歩で入渓地点まで行くことになった。
「これなら普通に電車&バスで来るのと変わらんよ・・・」
しぶしぶバス停で沢準備を始める一同。
10:40 出発。
電気工事の脇を通り、小川谷を目指す。
遡行本によると玄倉からは1時間30分ほどの歩きになるようだ。
ちなみに通常でも7月〜9月の間は車通行止めらしい。

久々の晴れでテンションがあがる。
新入生にとっては沢で綺麗に晴れているのはこれが初めてだった。

あまりの気温の高さと歩きによる熱で遡行意欲が沸いてくる。

歩きながらふと田代に目をやると、あまりの暑さで
沢タビに汗が溜まるという珍現象を引き起こしていた。
まだ水に入っていないのに濡れた足跡が道路に残っていく。
さすがメタボ先生。
11:15 立間大橋。小川谷とユーシンへの分岐を左に進んですぐにある。
下の河原には何人か人も見える。

あまりにも暑く、さっきから下には小川谷下流部が流れていたために、
急遽穴ノ平橋には行かず、ここから遡行を開始することにした。

11:21 立間大橋のすぐそばから入渓。
さっそくの綺麗な水流に感動する。
しばらくして最初の堰堤。
左から巻く。
まだこのときは快適であった。

長い河原が続いたと思ったらまた堰堤という状況が繰り返され飽きてくる。
さらに3つほど堰堤を越えた辺りで二俣。
本流である右に進む。

堰堤と堰堤との間には広い河原が続いていた。
この二俣を越えてから、少し狭くなり、岩が目立ち始めてくる。

12:42 階段のある堰堤。さすがに一番登りやすかった。
この堰堤を越えるとゴカイ沢との二俣が見えてくる。
12:44 ゴカイ沢との二俣。
長かった・・・・本当に長かった・・・・。
堰堤ばっかり続いて、もうへとへと。
結局駐車場から2時間もかかってしまった。車で行ければすぐなのに。

12:50 そしてそして・・・この瞬間をどれだけ待ったか・・・。
小川谷F1(2m)。
車で入渓地点まで行けるということを考慮して時間を設定したのに、
このままだと帰るのが夜になってしまうという心配が発生。
「とっとと行ってすぐに帰ろう・・・」

F1は水流右から登った。
さっそくのゴルジュにわくわく。
12:53 で、出た〜。一瞬でわかるF2(巨大CS滝:5m)。
行く前から遡行本やサイトで楽しみにしていた滝の一つ。
「で、でけぇ〜!!」
なんというCS。狭いゴルジュの中ど〜んと置かれている。

右から行こうか左から行こうか迷ったが、右には足をかけられる残置スリングと
倒木が立てかけられていたため、安全と時間短縮を取り、右から行く。

登っている写真は写真館でご覧あれ。
13:05 F3(6m)。
F2を超えるとすぐに現れる。
こんな良い滝達が連続で出てくるとは・・・。

水流すぐ右の岩壁を登ろうとチャレンジしてみたが、
どうしてもヌルヌルな逆層に勝てず諦める。

結局左岸のルンゼを少し行き楽な壁を登る。

落ち口以降はかなり開けていた。
13:18 F4(5段5m)。
これは非常に登りやすい。水流の中を進む。

割と浸かれる綺麗な釜が続いたため、
さっきまで汗を流していた一同は積極的に入っていく。
13:23 F5(2段5m)
水流の左をずっと進む。
意外と楽に登れた。

そして、今までずっと曇りだった天気が遂に晴れた。
なんという奇跡だ。
今回までで、活動は連続8〜9回は雨だったので、相当嬉しい。
こんなに天気が良い時の活動は新入生は初めてじゃないかな???
13:32 F7(2段5m)。
こいつもすごい。

深さのある釜を持っていて綺麗。
右にも水流があったが、どうやらここが遡行本(関東周辺沢登り50コース)に
載っていた写真の場所のようで、左の水流から直登。
敢えて写真と同じ構図で写真を撮ってみた。
水しぶきが気持ちいい〜!
第2ゴルジュ帯もまた雰囲気のいいところ。
早速深い釜の5m滝が現れた。
右から巻いたが、途中飛び込めそうだったので全員1度は飛び込む。
意外と高いが底が深いので大丈夫。
14:21 大岩(F810m)。
「でか!!」
遠くから見ると写真なんかよりはるかにでかく、そして斜めに見える。
これはすごい・・・。

遡行記録のあるサイトとか見ていて
「こんなの走って登れるだろ〜」
とか言ってたけど・・・無理です・・・。

奥にある残置ロープを使い登る。
14:39 第3ゴルジュに突入。
どんだけゴルジュなんだよ・・・。

延々と高い壁にはさまれ、陽の光が入ってこない・・・。
水はだんだん冷たくなってきた。

でも、綺麗なんだよな〜。
と、考えた瞬間もう泳いでいた。

こんないいところがあるなんて・・・。
一同絶賛。

とにかく水量が多く、水勢も強い。
濡れながらどんどん突破していく。
15:11 F11(2段20m石棚)。
絶句。

遠くからでもその迫力が伝わってくる。

なんとでかいんだろう・・・。
一体この谷はどれだけ人を楽しませてくれるのだろう・・・。

左の岩壁を登り落ち口に出る。
高度感はあるが、ホールド等たくさんあり、登りやすい。
上部は階段状になっていた。

ただ落ち口に下りるところが少し怖い。
16:10 デッチ沢出合。
沢は大きく右に曲がり、第4ゴルジュ帯に入っていく。

写真はデッチ沢の隣にある枝沢。
滝とともに現れる。
16:28 F13(トイ状:5m)。
ラストを飾る滝。迫力がある。

釜は結構深く、中を通れば足もつかない。
右から回って近づき、水流の中をチムニー登攀しようかと思ったのだが、
水勢が強すぎて上がれず。

結局時間も無いので少し手前の左から巻いた。
落ち口に下りるところが滝に近くて怖い・・・。
16:37 左側が壊れた堰堤。
堰堤の中を水流が通っている。
ずっとゴルジュだったが、堰堤を越えた瞬間明るくなり、河原が続いた。

すごく終わった感がある・・・。
疲れた・・・。
16:45 最後の堰堤。
遡行が終了したので休憩。昼食を食べる。
遡行開始から6時間も経ってしまった。

17:15 出発。
堰堤を左から巻こうとしたら、少し手前の岩に赤ペンキで「↑」とだけ書いてある。

それに従って上にあがるが、全く道が見えない。
見落としやすいと言われているが、その通り。

結局ペンキの岩から4〜50m上部にあった。
木に若干巻いてあるテープに沿って上がるとわかりやすいかも。
ところどころ崩壊していると書かれていた東沢乗越と穴ノ平橋を結ぶ登山道。
写真のように無茶なところを通らされる。

何箇所か分岐も目立つが、読図をすれば割と容易に進める。

18:14 舗装されている林道に到達。
ここから穴ノ平橋はすぐ。
空いている駐車スペースが憎い。
玄倉まで歩く。
18:53 立間大橋を通過。
だんだん暗くなってきたが、まだ普通に明るいので、玄倉までは大丈夫だろう。

19:22 玄倉に到着。
丁度真っ暗になった。ものすごいタイミングだ。ギリギリ。

駐車場で着替えているとバスが来た。
この時間までバスがあるなら本当にバス&電車で来れば良かったよ・・・。
帰りの車が鬱。

各人雑感

寺内 なんという気持ちのよい遡行だっただろう。
丁度良く晴れ、まさに沢日和のこの気温のもと、これだけ水に浸かれる沢に来れたことに感謝する。
毎週毎週雨続きの週末にうんざりしていた。
雨で中止になったときもあった。
今回、これだけ晴れてくれた(実際はやや曇りだけど)のは一体誰のおかげだろうか・・・?
この小川谷は前から行きたかった沢だ。
親水性の沢登り愛好家である自分にとって、この沢は憧れの存在だった。
しかし昨年は大した実力もなく、当時のメンバーで行くには少々不安があった。
だが、今年は新入生たちの実力はもう中級くらいは行けるレベルと考えて計画に踏み切った。
案の定新入生たちは全く問題なく遡行でき、沢のあらゆる要素もあり勉強にもなった。
これだけゴルジュが続くところは自分自身も初めてだったので終始楽しめた。
欲を言えば、もう少し時間を取り、巻いた滝を直登していきたかった。
アプローチや下山にえらく時間がかかってしまったが、それはそれでいい経験にもなったと思う。
次はバスでも来れるな・・・。
宮城 今日は久しぶりの沢ということで緊張半分期待半分で沢に挑んだ。
泳ぎが多い沢なので水量が自分が行った今までの沢の中で多く
とにかく寒かった。
それなりに大きな滝もありけっこう楽しめた。
東京電力の陰謀でかなり歩かされた点を除いて・・・。
竹田

今回が初めての沢登りだった。
当初沢登りにそんな興味がなかったが、いつの間にか夢中で登っている自分がいた。
まぁ滑落したくない!という気持ちで一杯一杯だったからだろうが・・・。
とにかく落ちたら死ぬんじゃないか?ってポイントがあってスリル満点だった。
それほど高いところを登るので高所恐怖症の方にはオススメできない。
され、また沢登りをやりたいか?と問われれば、まぁやりたい、である(笑)。
ぶっちゃけこれ以上危険な沢は勘弁だよ・・・。

田代

気持ちいい沢だった。
ザイル無で登れたのは精神的に良かった。
数々のどでかい岩やゴルジュに自然の偉大さを感じた。
新装備の良さにも感動した。滑らない手足。怖いものは無かった。
工事でスタート地点がかなりずれたのは萎えた。
岩から翔んだときに失敗した時も萎えた。
ケツを強打し水が逆流してきた。
登る技術うんぬんより読図が実際大事なのだと思い知った。
また来たいと思わせる沢だった。

吉川

今日は天気がよく非常に爽快な遡行だった。
活動中に雨が降らなかったのは初めてだ。
沢自体は水量が豊富で落ちたり飛び込んだりしても死なないので
積極的に挑戦することができ楽しかった。
ゴルジュなどの景観もなかなか素晴らしかった。
是非また行きたいと思う。

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