文:寺内
活動日 | 2008年11月29〜30日 |
活動場所 | 福島県耶麻郡猪苗代町 硫黄川 沢尻温泉 |
メンバー | 5回生:塚崎 3回生:寺内 2回生:宮城 1回生:本郷、吉川、渡辺 |
使用した装備 | 特になし。 |
参考資料 | 特になし。 |
活動の目的・目標 |
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タイムスケジュール | 10:07(部室出発)−15:40(猪苗代警察署)−16:20(道の駅裏磐梯)−17:30(沼尻スキー場) −19:40(道の駅つちゆ)−21:40(夕食)−22:30(就寝)−01:30(撤退)−03:30(マクドナルド) −06:30(出発)−11:40(大学到着) |
10:07 部室を出発。 東京ですら寒い。 これから雪がある福島県に行くと思うと心配である。 しかし、計画書にもしっかり書いてあったのにも関わらず、渡辺が軽装で来ている。 どう考えてもなめている・・・。 だが宮城の情報によると2月でも行けるらしいし、事前調査で雪も30cmしか積もっていないらしい。 仕方ないので現地次第だが行けるところまで行ってみようと思う。 |
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15:40 猪苗代警察署に到着。 計画書を提出した。 警察署の前にはすでに雪があった。 積もっているという感じではなく、解け残っている感じだ。 さっそくテンションが上がり雪をぶつけ合っていた。 |
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16:20 道の駅裏磐梯に到着。 警察署からここまでの山道は普通に雪が積もっていた。 だが、道路上は渇いており、走行には支障は無い。 山もまだまだ歩ける程度だ。 多少不安にはなったがこれならまだ行けるだろう。 道の駅はなかなかスキー場っぽい感じに積もっている。 こいつぁ寒いぜ・・・。 それに対してストーブ付きでお湯も出る、設備がいい道の駅に感動する。 ここで泊まりたいが、時間もあるので先に登山道を確認することになった。 沼尻温泉に向かう。 |
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17:30 沼尻スキー場に到着。 スキー場内にある車の跡に沿って進む。 道の駅付近よりもさらに雪が積もっている。 ヤバイ・・・。 途中あまりにも急角度になり、チェーンも付けていないこの車では危険なので、 スキー場前に車を止めることにした。 歩いては行けそうだがどうも心配だ。 近くの旅館でこの先行けそうかどうかを聞いてみることにした。 |
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降りてすぐの高級そうな旅館に入って聞いてみた。 するとかなりヤバイらしいことを聞かされる。 登山道はスキー場とはるかに違い、1m以上積もっているらしい。 そのおかげで看板は見えず、行ったことのある人でないと行けないようだ。 軽装できている渡辺、登山靴でない塚崎先輩と本郷、そして雪山登山装備がない我々。 事前調査とかなり食い違ったこの状況では活動は不可能と感じた。 安全が第一なので撤退を決定した。 |
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17:58 車に戻り、検討。 撤退は決めたものの、これからどうするかを考える。 何気なくふと駐車場の角を見るとなにやら湯気が出ているのが見えた。 これはひょっとして・・・? 近くまで来て確かめてみると・・・温かい。 こりゃ温泉だ。 明らかに排湯だし、まわりにゴミが散乱していてとてもいい環境とは言えないが温泉である。 せっかく来たことだし、この野湯に入ることにした。 |
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その湯はあまりにもすごかった。 底はヘドロで足が沈むし、臭いもキツイ。 とても温泉でワイワイ騒ぐ気分ではなかったのだが、無理やり盛り上がった。 温度は普通に温かいので十分に温まり、着替える。 だが入浴後の体臭がとにかくやばかったので、すぐ隣の旅館の温泉に駆け込んだ。 入浴料は500円。 露天風呂でないのは残念だったが、まじめな温泉でなかなか満足した。 |
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19:10 沼尻温泉を出発。 とりあえず一泊する場所を求め、一番近くの道の駅「つちゆ」に向かった。 19:40 道の駅つちゆに到着。 とにかく腹が減ったのでとっとと夕飯を作る。 今夜のメニューはカレーだ。 だが、カレーという簡単なメニューだったのにも関わらず、 カレーはルーが少なく野菜が多かったため味が薄くなってしまい、 飯は水分が多かったり少なかったりを繰り返しもちになってしまったため、 かなり失敗した料理になってしまった・・・。 |
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21:40 夕食。 つまみの美味さが優先され、ろくにカレーを食べることが出来ず、かなり余ってしまった。 まぁ明日の朝にでも食べればいいのでこれは放置しておく。 22:30 就寝。 外の風が強くて騒がしい。 テントがかなり揺れている。 このときはあまり気にせずそのまま寝てしまった。 |
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00:30 突然風が強くなった。 まるで台風のような風が吹き荒れている。 風だけでなく、雨も降っている。 テント内はところどころ濡れだした。 しばらくすると事態はさらに深刻になってきた。 テントの耐久力を超え、潰れてきてしまったのだ。 風上からどんどん潰れていき、テント自体が吹き飛ばされそうになる。 中から必死に抑えたのだがそれでもダメで、とても寝ていられる状況ではない。 仕方ないので、雨と風の中テントを回収し、車に避難することにした。 01:30 テントの回収を行い、道の駅を後にする。 とりあえずどこか行こうということになり、一番近くのコンビニに向かった。 |
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03:30 福島市内のマクドナルドに到着。 コンビニで色々調べたが、24時間営業の店はあまりなく、とりあえずマクドナルドに行った。 ここで少々食事を取りながら、中や車で各自睡眠をとった。 06:30 マクドナルドを離れ、そのまま大学に帰ることになった。 活動が中止になり、ただ帰るだけだったはずなのに、思わぬところで大変な目にあってしまった。 |
各人雑感
塚崎 | 今回の活動は完全に失敗だった。 登山道に行くことすらできず、活動中止になってしまった。 活動中止といっても、大雨により沢登りが中止になるようなケースとはまったく異なる。 悪天候による活動中止はいくら対策しても対応しようがないので仕方ないと言えるが、今回は違う。 今回の活動中止の理由を簡単に言うと「登山道が雪に埋もれていて、それに対する装備を準備していなかったため」である。 しかし、活動趣旨からして、登山道が雪に埋もれていることなんて、程度はどうあれ十分予想できうることで計画書にも示唆されており、 決して天候や偶発的な出来事のせいにできるものではなく、不備は活動する側にあった。 その不備を挙げると、@雪の降る地域に対する意識の低さ A活動自体に対する意識の低さである。 まず、@雪の降る地域に対する意識の低さについて。 今回の活動はスノーシュー(部室に確か3つある)を必要とする活動だった。 旅館の人の話を聞いた限り、積雪の程度はどうあれ、スノーシューと簡単な冬山装備さえあれば、 本格的な雪山登山(アイゼン、アイスバイルを必要とするような)とまではいかない面白味のある活動ができたはずだ。 スノーシューを不必要とした判断は、事前調査が不足、不完全、軽率だったといわざるを得ない。 あらかじめ雪の降る地域に対する意識を高く持っていたなら、活動メンバーを3人以内におさめていれば 部室にある簡単な冬山装備だけで、あとはそれぞれスパッツなどだけ購入すれば活動可能だった。 次に、A活動自体に対する意識の低さについて。 今回の活動では、自分を含めて、計画書に書いてある登山靴すら持ってこない人が数名いた。 そんな意識のまま活動に参加していたら、今後いつか重大な事故にあってもおかしくない。 自分以外の2人は一年生だから多少大目に見るにしても(それでも、計画書の審議時点での不徹底やミーティング不足、 個人の意識不足は重大な問題として考えるべきだが)、責めるべきは5年生の自分自身である。 そもそも「寒くなってきたから、どっか温泉でも行きたいなー。自分で計画すんのめんどくせえから現役に作らせるか」的なモチベーションで企画を出させ、 計画の状況をロクに確認もせず、「野湯→寒い→とりあえず厚着だけすりゃいいだろ」的な短絡的な思考しかせずに活動に参加してしまった。 むしろ、他の野湯に行った経験やスノーシューを使うような活動をしたことは自分しかないのだから、 しっかり準備・確認した上で、アドバイスすべき立場だった。 これでは「先輩」という立場を利用して、その上であぐらをかいているだけであり、大変みっともない。 統括としては、今回のような全体的な意識の低さによる活動中止が探検部の活動として一番みっともないということである。 活動がそこそこうまくいっているときはあまり省みないものなので、 このような失敗の時こそ「まあこういうときもあるか、残念」で終わらせることなく、 それぞれ参加したメンバーが個人の意識や部の現状について、他人任せにせず、他人のせいにせず、考えてもらいたい。 今回の活動では、活動中止となり、そのまま帰るのはあんまりだということで、 落とし前として偶然見つけた野湯(わざわざ入りに行く人がそうはいないという点は沼尻温泉源泉と共通している、 人工的なエキスのつまった野蛮な湯である)に入った(入らせた?)が、今後、硫黄の臭いを嗅ぐ度にでもあの時のことを思い出して、 「活動ナメたらひどい目にあう」と思い返して頂けたら幸いである。 |
寺内 | 各々反省の多い活動となった。 最近、痛い目を見る活動が増えてきていることも真に遺憾である。 今回は内容的には普段の活動に比べ格段に簡単なものであり、楽しめる活動のはずであった。 だが、その甘えた考えが各自の判断を鈍らせ、意識低下に繋がり、このような事態を引き起こしたと思う。 事前に入念に調査をしておけばある程度は予測できたことであり、回避できたことである。 だが、管轄というだけであまり把握していなさそうな役所関係の情報やあまり鵜呑みにしてはいけないホームページでの積雪情報などに満足してしまい、 具体的に納得のいく調査を行っていなかった。 その点から考えても、今回の活動は意識が低かったと感じられる。 しかし、今回は計画者側に明らかに非があったにしろ、それでも全体の意識の低さは目に余るものがあった。 事前に何回も話していたし、ある程度活動内容も理解しているのが当然なのだが、全く理解せずにただ来ているだけというのが多かった。 そのため、さほど装備に重要さを感じられず、登山靴を忘れてきたり、軽装できたりと、一目で活動をナメていることがわかる状態をつくりだした。 だが、それもこちらにも非はあった。 もう少しお互いに意思疎通をするべきだし、最悪前日にでも装備のチェックをするべきであった。 以前も同じような意見が出たにも関わらず、それを実行することが出来なかったことは非常に反省している。 もう少しシステム化し、各活動がしっかりと行われる状態をつくっていきたいと非常に感じた。 活動できなかったことは残念ではあるが、いい反省材料にもなり、今後の活動に磨きがかかってくれば良いと思う。 自分が引退する直前で、このような活動を後輩に経験させることが出来て、少し良かったとは思っている。 やはり失敗経験も積まないとね・・・。 けして推奨はせんが・・・。 |
宮城 | 今回は一応前に自分が企画を立てた活動なので期待していたのだがなんと大雪のため中止に…何しに福島まで行ったのか。 さらにヘドロみたいな廃湯?に入り泥臭くなるわ寝てる時強風でテントが吹っ飛ばされそうになるわで散々だった。 |
本郷 | 久々の活動はカオスだったが、楽しかった。 また、ジャガ芋の皮を上手にむくことができなくて苦戦した。 練習しなくては、と思った。 |
吉川 | 今回は現地で活動中止になってしまったが、ドブ温泉で野湯を体感することができた。 その後ちゃんとした温泉にも入り、「今回は久々に楽な活動だったな」などと思っていたが、やはりそこは探検部、 ただで終わらせてくれるはずもなく夜中に渡辺君の奇声で起こされテン場を撤退し、車のトランクで荷物に埋もれながら夜を明かした。 さらに朝起きると自分のシュラフとマフラーがM先輩の足元に転がっており、その足跡が茶色く色づいていた。 おそらく昨夜のカレーだろうと思ったが、万が一のこともある。 恐る恐る嗅いでみると、そのにおいはカレーのそれではなかった・・・ |
渡辺 | 自分はかなり軽装だった。 なので活動が中止になり、雪の中の活動がないとわかった時は正直かなり嬉しかった。 だがその後の『野湯』はもう二度と入りたくない。 確かにハメを外して楽しむというのはその時は天に昇るかのごとく満ち足りた時至福の間が流れるが、そのあとはただ現実という地獄が待つのみなのである。 そして夜、テンバ。 眠れぬ夜がふけるのを穏やかに待つはずか、酒を飲んだせいかすぐに寝付け、テントが風に煽られるバタバタとはためく音に起こされた。 横を見ると、シュラフで寝る寺内先輩が風で倒れてくるテントに押し潰されているという、少し面白く、非常に切羽詰まった光景だった。 最後に釜ノ沢以降、常に自分の理性を保つという探検、というか通常の生活において最低限必要なものさえ保つのが困難になってきた。 友人、単位、経理研といろいろなものを失ってしまった自分だが、最低限命を守るためにも軽率な行動をしないよう常に心掛けたい。 |
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