ナルミズ沢遡行活動報告

活動日 2008年7月19〜20日
活動場所 山梨県山梨市三富川浦 笛吹川流域 ヌク沢左俣
メンバー 5回生:塚崎 3回生:寺内 1回生:田代、吉川
使用した装備 今回は特に使用せず。(9mm50mザイルを持参)
参考資料 関東周辺沢登りベスト50コース 東京周辺の沢
活動の目的・目標
  • 今まで学んだ技術の復習を兼ね様々な登攀を行う。
  • 屋久島のプレとして重装備での活動・ザックパッキングの練習を行う。
  • 奥秩父の雄大さを感じる。
  • 大滝の高度さで高さに慣れる。
  • 体力と精神力と技術力、そして経験値の上昇を図る。
タイムスケジュール 1日目:19:00(部室出発)−23:30(西沢渓谷入口到着)

2日目:04:30(起床)−06:00(出発)−06:21(ヌク沢入渓)−07:20(近丸新道)
     −08:18(平成6年造成の堰堤)−08:40(二俣)−09:45(大滝下段)
     −10:06(大滝中段)−10:43(大滝下段)−12:30(ブッシュ帯突入)
     −12:55(登山道)−13:15(甲武信小屋)−14:10(下山開始)
     −17:26(下山終了)−18:45(帰宅)
主観的評価 総合グレード:★★★★★☆☆☆☆☆(中級)
沢で一泊もしない活動の中では行程が長い。
特に、沢内では大滝とツメ、それ以外に下山がとにかく長かった。
そして辛かった。
延々と登り、下りが続き、体力とともに精神力も要する場所であった。
また大滝の登攀は巻くことも出来るので、全体を通して難しい箇所はあまりなかった。

一日目

19:00 部室を出発。
いつもの三年・一年メンバーはともかく、今回は5回生である塚崎が参加。
一年にとっては初めての合同活動なのでややテンションがあがる。

甲州街道を延々と走り、西沢渓谷を目指す。
途中ファミレスで夕食を食べた。

23:30 ようやく到着。
どんだけ時間かかってるんだよ。

急いでテントを張り、ウォッカを一瓶空けたらすぐに寝た。
明日は早い。

空気が冷たく、夏にしては快適な夜を過ごした。

二日目

04:30 起床。
インスタントラーメンを食べながら、各自荷物の整理をする。

今回は屋久島のことを考え、重装備で行くことになっていた。
そのため、各自シュラフやいくつもの替え着を防水処理する。

06:00 やや遅れながらも出発。
西沢渓谷に向かって歩いていく。

06:21 ヌク沢出合に到着。
看板があるのでわかりやすい。
初っ端から堰堤が待っていた。
しばらくは割と広めな谷をひたすら突き進んでいく。
途中ナメもあったりしてなかなか進みやすい。

途中2段5m滝や5mナメ滝など割と迫力のある滝も越えていく。
どれも直登が出来、なかなか快適だった。
07:20 近丸新道の堰堤(平成13年造成)。
すぐ手前には近丸新道が見える。
参考図書の調査日は平成12年だったため、この堰堤は載っていなかった。

しばらく休憩した後右から巻く。
割と大きく巻いたが、前の踏み後がしっかりしてあり、
すごく通りやすかった。
08:18 平成6年造成の堰堤。
またかよ、と同じく右から巻く。

その後さらに2つの堰堤が現れ、沢が人工物に感じてくる。
08:40 二俣。
平成8年造成の堰堤のすぐ後にあった。

二俣というよりも右の支流を入れて三俣のように感じる。

右の支流の上のほうには道路と橋が見え、
地形図での位置の確認が容易であった。

ここは左を進み、左俣に入っていく。
左俣に入った直後の堰堤を越えると沢の様子は一変した。
とにかく倒木だらけで、どこもそれを越えるのに苦労する。
こんだけあったら、もはや倒木があったころの雰囲気は全くわからず。
ただ単に非常に面倒くさい沢に成り代わっていた。

また、このころから非常に虫が多くなってきた。
常に付きまとわれ、余計にテンションが下がる。
09:38 ようやく倒木地帯を抜け、8m階段状滝
水量が多く、やや困難だったが直登もできた。
巻く場合は左からすんなり巻ける。
09:45 遂に出た260m大滝。
右は3段の内の下段100mの最も下のところ。
上部は曲がっていて全容は見えないが高いことは間違いない。

相当な高さで見ているだけで疲れそうだ。
水流の右をひたすら登る。
10:06 大滝中段80m。
下段をクリアしたらすぐに開け、その迫力を見せ付けてきた。

これはヤバイ!!

あまりの高度さに驚く。
こりゃあ大滝っていうのもわかるよ。

時間の関係と早くも心が折れている吉川のためにも右から巻くことに。
水があまり流れていないところだと階段状で非常に楽に登れる。
水流の中はとにかくヌルヌルで滑りやすく怖い。
それさえ除けば簡単そうなのに・・・。
10:43 大滝上段80m。
中段は右から巻いてしまったので上段は直登することにした。
っと思ったらなぜか吉川が先に巻きコースに進んでいる。
おいっ。

しょうがないので塚崎が吉川に付き添い一緒に巻いて、
寺内・田代で直登を開始。

中段と違って非常に登りやすかった。
だんだんと狭くなり、階段もしっかりしてくる。

最後落ち口辺りで小鹿が死んでいた。
つい最近らしく形がしっかりしていた。
11:11 大滝終了。
2組はほぼ同時に到着。

しばらく休んで、また遡行を再開した。

そこからはナメ床が続いた。
下流部とはさらにまた違う様子で非常に長い。

しばらく行くと左右にガレが現れ傾斜が強くなってくる。
12:30 いきなりブッシュ帯に突入。
松やなんかが大量にあり沢から上がり右へと進んでいく。

掻き分けて進む。
前の人も見えにくい。

しばらく進むと遠くに人が見えた。
あそこが登山道だろう、と進む。

12:55 登山道に出る。
やっと終わった・・・。
長かった・・・。
13:15 甲武信小屋に到着。
そのまま下山すれば時間も短縮なのに、近くにあるからと甲武信小屋に寄った。

そこにて恒例のカップラーメンを食べる。

ここで沢装備を片付けた。

14:10 下山開始。
木賊山を経由して戸渡尾根から下山した。
何という仕打ち・・・!
いきなりひどい雨。そしてひどい道。
精神的にも体力的にも疲れきった。

どれだけ進んでも霧のせいでなんにも見えないし、
あとどれくらいで着くのか全くわからない。

3回ほど休憩を取りながら歩き続ける。

次第に車の音(?)が聞こえてきた。
17:26 下山終了。
途中道を間違えて徳ちゃん新道から降りていた。
どうりでヌク沢にぶつからないはずだ。

下山が終わって力尽きそうになった。

そこからヌク沢出合を経過し西沢渓谷入口バス停に向かった。

18:45 帰宅。
しかし、行きの時間を考えると大学の閉門時間に間に合いそうも無い。
そこで仕方なく高速を利用することになった。

だがそれが裏目にでる。
とんでもない渋滞で高速にのらない方が早かったかもしれない。
まぁ閉門時間にギリギリ間に合ったから良かったけど・・・。

各人雑感

塚崎 かつてない驚異的な重さのザックを背負っての遡行だったが、疲れた。
田代・吉川は、寺内による荷物増量イジメをものともせず、
一年生なのにスタミナがあって凄い。
屋久島も余裕だね。
ヌク沢の印象は、大滝はさすがの存在感だったが、遡行中は全般的に曇りぎみで残念であった。
久しぶりの沢登りだったので、それでも十分楽しめたが。
虫と雨の猛攻を受けながらの下山は、しばらく活動に行っていなくて忘れていた、
活動の甘くない現実を思い知らされた。
軽く精神崩壊した。
が、下山が終わった途端に、それまでの辛さを省みず、
日常生活では得られない良い体験をしたかのように思い込み、
また新しい活動に行ってみたい気がしてくるのは何とも不思議である。
寺内 最初から最後まで、とにかく辛い活動だった。
前日にウォッカを飲みすぎて、活動中ずっと死にそうだったし、
自分にばかり虫が寄ってきて大変だったし。
沢自体も厳しい道のりが続いた上、ヤブこぎのツメ、そしてありえない下山。
それらが全て併せ持つこの活動は地獄そのものだった。
精神力を鍛えるだとかそういうのを入れてもひどかった。
まぁでもいいプレにはなったと思う。
二度と行かないだろうとは思うが。
田代 厳しい沢だった。
ツメ、下山ともに経験したことない程の辛さ。
肝心要の260メートル滝の充実感をもってしてもお釣りがくるほどの辛さであった。
今回、訓練のため荷物を多目に持っていった。
切実に軽量化の大切さを知った。
あらゆる場面で勉強にはなった。
ヌク沢のことはしばらく思い出したくない。
吉川 探検部に入って以来全ての活動に参加してきた自分だが、
今回の遡行は正直入部以来一番キツかった。
260m大滝も結局その恐ろしさに負けて巻いてしまったので楽しい要素もほとんどなかったし、
巻きに付き合わせてしまった塚崎先輩にも大変お世話になった。
滑り落ちたらかなりの確率で死ねる巻き、果てしない詰め、
三時間以上の下山により精神を蝕まれた。
二度と行きたくない沢ランキングは勘七ノ沢をおさえて堂々の一位だ。

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