文:寺内
活動日 | 2009年8月2〜3日 |
活動場所 |
新潟県南魚沼郡湯沢町大字土樽 魚野川流域仙ノ倉谷 西ゼン |
メンバー | 4回生:寺内 2回生:渡辺 1回生:岸本、村山 |
使用した装備 | 特になし。(9mm50mザイルを持参) |
参考資料 | 山と渓谷社『関東周辺沢登りベスト50コース』 白山書房『奥利根・谷川連峰の沢』 岳人 2005年 7月号 |
活動の目的・目標 |
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タイムスケジュール | 一日目:12:30(和光市駅集合)-16:42(車止めゲート到着) 二日目:04:00(起床)-05:50(出発)-06:09(毛渡沢出合)-06:52(西ゼン出合)-08:10(東ゼン出合) -10:05(第2スラブ帯)-11:57(第2スラブ帯終了)-12:29(終了点)-13:50(平標新道到着) -14:50(下山開始)-18:16(車止めゲート到着)-19:00(出発)-22:05(新座駅到着) |
主観的評価 | 総合グレード:★★★★★☆☆☆☆☆(中級) 圧倒的なスラブ、ツメの綺麗さはとても素晴らしい。 これぞ上越といわんばかりの迫力を体感できる。 それほど厳しいところも無く、初級者でも遡行出来そう。 ただ、ヤブこぎの多さ、下山の長さは辛い。 |
12:30 和光市駅に集合。 前日の予報が雨だったため、中止にしようと思っていたが、 当日朝の天気予報では晴れになっていたので決行した。 関越道を使用するため、今回は大学集合ではなく、 家の車を使用する寺内の実家近くで集合した。 16:42 車止めゲートに到着。 食料の買出しを除き、わずか3時間で現地に着いてしまった。 非常に近い。 車止めゲートには水が中央を流れているし、すぐ隣にも川が流れているため、 とても快適である。 車も何台も止められそうだ。(下の写真) 明るい内に夕食や、ミーティングを済ませ、19時近くで就寝した。 |
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二日目
04:00 起床。 いつものように出発の準備をしながらテントを片付け、朝食を食べる。 天気も良いみたいだし、一同期待が高まる。 05:50 出発。 車止めゲートを越え、林道を進む。 途中小松沢出合近くに立派な堰堤があり、閉鎖された吊り橋があり、 ここがそうか?と疑ったが、そのまま直進。 紛らわしい・・・。 |
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06:09 毛渡沢出合の吊り橋に到着。 吊り橋は意外と小さいがしっかりしてそう。 毛渡沢を渡渉し、いよいよ登山道に入る。 登山道入口には「毛渡沢出合」という標識が立っていた。 西ゼン出合までの道は結構ぬかるんでいる。 というのも、登山道自体に沢が流れていたりして、 べちょべちょになっていたからだ。 何回も小さい小川に出くわし、最悪水の確保は容易そうだった。 大きな渡渉は全部で3回。 内2つはロープが張ってある。 3回目が西ゼンの出合。 |
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06:52 西ゼン出合到着。 しかし、地形図ではここっぽいが遡行図にある遭難碑が見当たらない。 仕方ないので渡渉しさらに進んでみると、15mくらい先に遭難碑があった。 そしてここにも沢が流れている。 わずか15mほどの間隔で流れている2つの沢。 一体どちらが西ゼンなのか・・・? 最初は迷っていたが、おそらくこの先でつながっているに違いないと判断し、 先に進んでみると案の定合流していた。 どうやらどちらから行っても大丈夫だったようだ。 |
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しばらくはずっとゴーロ。 途中何個か綺麗な釜があり、泳ぎながらも進む。 谷が開けているので、地形がわかりやすい。 遡行図と綺麗に一致するので遠くからでも面白いくらいに出合がわかる。 イイ沢出合からナメが現れ始め、ようやく西ゼンに来た実感が出てきた。 |
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08:10 東ゼン出合。 両側にものすごいナメ滝が広がる(下の写真)。 西ゼンには25mのナメ滝がかかっていて、右側の草付から突破する。 08:32 25mナメ滝を過ぎるとすぐに20mのナメ滝(右の写真)。 同じく右側を突破する。 |
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09:04 黒いチムニー滝6m。 左から巻く。 落ち口少し上にやや大きめな雪渓があった。 ルート上には全く影響なかったので、特に気にすることも無く横を通過する。 そしていよいよ第1スラブ帯が見えてきた。 |
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第1スラブ帯はほぼ左側を進んでいく。 ホールドが多い岩場や草付を選んでいき、意外と快適にどんどん登れる。 最後の6m滝手前で反対側に渡り、滝に取り付く。 6m滝は2回連続であり、どちらもシャワークライムを強いられる上、 なかなか水勢が強い。 |
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10:05 第2スラブ帯入口。 この辺りからずっとガスっていて、視界が悪い。 と言っても先の方が見えない程度である。 第2スラブ帯は右側をずっと進んだ。 積極的に草付を進み、安定したところを登っていく。 何本か支流が流れていて、いい休憩地点となった(下の写真)。 この辺りから、ずっと曇っていた天気が回復し、 晴れ間が時々出てくるようになった。 が、幾度となく霧が発生し、曇ったり晴れたりの繰り返しだった。 |
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反対側に渡れないまま落ち口に向かうのは微妙だったので、 遡行本にも書いてあるように大きく右から巻くことにした。 早くもヤブこぎが始まり、背丈ほどのクマザサを掻き分ける。 なるべく左の本流に戻りたかったが、踏み跡など見つからず、えらく苦戦した。 |
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11:57 本流に合流。 かなり進んでいたと思いきや、落ち口から数mほどの地点に出た。 6m滝などを越え最後の源流部を楽しむ。 太陽が出たりして景色を見る余裕も出てきた。 12:29 最終地点に到着。 ここが最終地点かどうかは不明だが、写真中央の穴から水が出ていて、 道は左右に分かれていた。 本命の右はもうブッシュ帯であり、おそらくここが最後なのだろう。 左からも水が流れていたが、あまり気にしない。 ブッシュ帯には踏み跡っぽいのがあり、それを伝って上を目指す。 |
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ひたすら地獄のヤブこぎが続く。 途中踏み跡がわからなくなる箇所が2箇所あったが、 笹が低くなったのでなんとなく上からわかり、戻ったりした。 踏み跡があってもこのヤブこぎはひどい。 |
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13:50 池糖に出くわす。 普通に踏み跡がここに続いていた。 池糖が3つ隣接していて、池糖を越えたらすぐ隣に登山道があった。 一同歓喜。 |
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登山道に入った途端、急に天気が好転し、 今まで見えなかった山々が姿を現した。 何とも絶景で、ここでのんびり昼食を取ながら眺めることにした。 |
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いつものようにお湯を沸かし、天然水でカップヌードルをつくる。 非常に美味い。 のんびりと休憩し、靴を履き替えて下山の準備もする。 14:50 下山開始。 まさかここまでハードとは・・・。 かなり急斜面を行き、ハードな道を進む。 しかもあれだけ晴れていたのに急にガスって、 楽しみにしていた西ゼンの全貌どころか先も見えない。 最後になんて仕打ちだ・・・。 |
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18:16 車止めゲートに到着。 休憩をさほど取っていないにも関わらず3時間超え。 本当に疲れた。 19時に出発し22時には新座駅に到着。 駅で解散した。 2週連続こんな長時間活動は辛いよ・・・。 あ、来週もあるから3週連続か・・・。 |
各人雑感
寺内 | 非常に疲れたの一言に尽きる。 先週に引き続きまたも10時間を超える活動。 何回も心が折れた。 一番に感じたのは体力の無さ。 とにかくギリギリの疲労感でクリアした。 肝心の西ゼンは、以前から本当に行きたかった沢だったこともあり、 期待を裏切らない素晴らしいところであった。 裏切ったというならヤブこぎの長さ。 遡行図に書かれている4〜5倍はやった。 逆に自分に足りなかったヤブこぎの経験を補ってくれたという解釈も出来るが、 あまりやりたくはなかった。 |
渡辺 | ヤブコギほど沢登における心折れる苦行はない。 西ゼンは前回の鶏冠谷以上にヤブコギのしんどさを体感できた。 まず行く手を遮る背丈程あるクマザサの束。 何箇所も手を切った。 そしてろくにテープや目印がなく、踏み跡を見失う。 それからはもう自分で道を造る。 クマザサを掻き分け、斜面のクマザサに脚を取られ滑り落ちながらも懸命に男達は道を造った・・・。 そんな開拓精神?フロンティアスピリット的なカッコイイ感じが頭の隅っこにあり、 とても辛い時間だったが発狂せずに済んだ。 スラブの巻き、ツメといい植物達は本当に素晴らしいホールドとしての役目を果たしてくれた。 もしそれらがなかったら無事に下山できたかかなりあやしいと思う。 つくづく葉っぱありきの活動だと感じる。 |
岸本 | 西ゼンはとにかくスケールがでかかった。 第2スラブ帯のそびえ立つ岩壁を見た時は、探検部の活動の中では初めて絶望感を感じた…。 とにかく全体が長かったが、いつ終わるとも分からない道をちょびちょびと進んでいって やっとてっぺんに到着した達成感も、長かった分大きかった。 こんな長いところでも余裕を持ってクリアできるように鍛えたい。 |
村山 | 前回のT谷とは打って変わって、今回の活動は緊張感に包まれつつも楽しいものだった。 特にあの巨大スラブ…。 登ってる途中、「ああ、こんな場所を登ってる俺は一種の変態なんだな」と気付いた。 でもその先の景色は別格。 食べ物のうまさも別格。 この二つが自分を変態たらしめている、そんな気がした。 そして次回からは行動食に塩おにぎりを用意しようと思った。 以上、緑ジャージの村山がお送りしました。 |