文:寺内
活動日 | 2010年8月7〜8日 |
活動場所 | 新潟県南魚沼郡湯沢町大字土樽 大源太川 |
メンバー | 3回生:上野、吉川 2回生:岸本 OB:寺内 |
使用した装備 | 8mm30mザイル(40mのほうが良かった)、ハーケン |
参考資料 | 山と渓谷社 『東京起点 沢登りルート120』 |
活動の目的・目標 |
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タイムスケジュール | 05:10(大源太山登山口出発)−05:28(入渓地点)−05:55(入渓)−06:10(F1‐4条6m滝) −06:24(七ツ小屋裏沢)−07:18(F2‐7m滝)−07:29(三俣)-10:00(高巻き終了) −13:03(ヤスケ尾根到着)−13:36(下山開始)−14:43(入渓地点)-15:10(駐車場到着) |
主観的評価 | 総合グレード:★★★★★☆☆☆☆☆(中級) とにかく色々な要素がつまった沢であった。 景色が素晴らしく、楽しい思いもかなりすることが出来た。 が、一つ一つの滝のルート取りがかなり重要となる場面が多く、 また結構地形が難しかったので、明らかに初級の沢ではなかった。 特に最後のツメは相当体力が要る。 気楽な沢と思い、気楽に入渓すると痛い目を見る。 ウチラみたいに・・・。 遡行時間:7時間53分 下山1時間34分 |
遡行図 DLはこちら |
14:00 部室を出発。 妙にアツい4人組となった今回の面子。 怪しいトークで盛り上がりながら新潟を目指す。 19:00 遅れに遅れてようやく大源太山登山口駐車場着。 道はわかりやすいし、舗装もされているので問題ない。 駐車場には登山届提出箱もあり、迷うことはない。 10台ほどのスペースがあり、既に2台止まっていた。 野営の準備をしていると本谷を遡行し、下山してきたパーティーに出会う。 初心者で、三俣まで行って引き返したそうな。 後にその意味がわかってくる・・・。 |
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とにかく満点の星空であった。 天の川も肉眼ではっきり見えた。 こんなに見えたのは富士山以来か・・・。 原寸写真では結構星が写っているのだが、縮小してしまったので写りが悪い・・・。 22:00 就寝。 |
04:00 起床。 本当はもう30分前に起きたかったのだが、 あまりに眠かったのと、まだ全然明るくなかったのでダラダラしていた。 05:10 出発。 登山道を行き、入渓地点を目指す。 道はしっかりしていて、1回目の渡渉点は立派な橋もあった。 |
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05:28 入渓地点到着。 2回目の渡渉点が入渓地点。 太いトラロープが目立つ。 水の色は澄んでいて、結構冷たい。 暑い日にはぴったりで、急ぎ支度をし、入渓する。 |
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05:55 入渓。 いかにも上越らしいナメの滝が続く。 夏前まではずっと奥多摩or丹沢だったので、久々の地方は楽しい。 写真は3mナメ滝。 F1までの小滝は快適に越す。 |
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06:10 F1の4条6m滝。 迫力のある滝が突然現れる。 写真ではなぜか岸本だけ打たれている。 左右どちらでも登れそうだったが、セオリー通り右から登る。 特に問題はない。 |
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しばらくゴーロを行くと写真の5m滝。 釜が大きく、左を経つって取り付く。 暑かったので、泳いでもみた。 06:24 5m滝のすぐ上部で七ツ小屋裏沢出合。 わかりやすい1:1の出合。 本谷である左へ脚を進める。 |
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出合からゴルジュがずっと続く。 その中を、小滝とゴーロが占めていて、しばらくはひたすら前進。 奥多摩と違うゴルジュの形成に感心しながら一つ一つ滝を越えていく。 と、出合から三つ目の小滝である5m滝でとあるものを発見。 それは巨大ナメクジ。 20cmを超えるほどの大きさで、ちゃんと生きている。 動物マニアのYですら見たことないと驚いていた。 岸本が試しに触ってみたら急に縮んでしまった。 我々の気持ちも一気に萎えたので先に進む。 |
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07:18 F2-7m。 ゴルジュが急に右に曲がる箇所にかかっている。 正面はルンゼになっていた。 7m滝は右側から簡単に超えることが出来る。 |
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07:22 F3-10mナメ滝。 水流の左から超えることが出来る。 落ち口付近が少々難しかった。 |
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07:29 三俣。 右からは七ツ小屋沢の30m滝、正面からは見晴台ノ沢、 そして左はF4-3段20mとかなり迫力がある。 残念なことに、なぜかF4のちゃんとした写真がない。 カメラ係何やってるんだ・・・。 さてF4だが、遡行図には右のリッジを登るとあるが、 水流左から右の灌木帯にトラバースする方法も見える。 迷った挙句、若干簡単そうに見えたリッジを登ってみる。 |
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登ってみるとかなり難しく、ホールド・スタンスが全く無い。 どう進めばいいかわからず、結局打ったハーケンにスリングをかけ、A1登攀をした。 それでも相当難しく、確保されてないと怖くて仕方がなかった。 ようやく灌木帯に上がることが出来、次の岸本をビレイ。 順調に上がり、3番目に上野が登る。 すると後から来た3人パーティーに追いつかれ、 さらにトラバースルートを通り、あっさり上に抜けてしまった。 やっぱりこっちは失敗だったか・・・。 さらにさらに、そのパーティーに指摘されて、 ビレイポイントが抜けてしまっていることに気付く。 しっかりはしていたが、危ない状況だったのでビレイポイントをずらす。 そんなことをしている間にあっという間に時間が過ぎてしまった・・・。 |
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灌木帯からはヤブを行きながら高巻き。 すでに前に人が通っているのでわかりやすい・・・はずだったのに、 なぜかよくわからなくなってしまい、とりあえず沢方向に向かう。 10:00 15分ほどのヤブコギで本谷に帰還。 F5の2段7m手前に出た。 流石に疲れたので、15分ほど休憩を取った。 |
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10:17 F6-3段10mチムニー滝。 ギリギリ体が入る隙間に突っ込み、シャワークライムで突破。 最後が怖く難しいが、まぁ何とかなる。 続く小滝を越えて行くと、いよいよ源頭部っぽくなってきた。 そして後方も開け、大パノラマを堪能する。 |
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最初の分岐を右に行くと、小滝を経てスラブ帯になる。 水も無くなっていき、角度が急になっていく。 8m滝を右から越えるとさらにスラブになり、また分岐。 今度は左にルートを取り、ひたすら詰め上がる。 |
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最後はかなりだだっ広くなってしまい、どういったらいいかわからない。 なので、とりあえず登りやすい岩場を選択し、岩のルートをひたすら登った。 あまりに急な登りなので、休憩をかなり細かくとりながら進んでいく。 最後の最後に腰ほどにヤブを10m漕ぐとようやく登山道にぶつかった。 |
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13:03 ヤスケ尾根に到着。 当初の予定より大幅に遅れてしまった。 なにより大きく体力を消耗してしまった。 その鬱憤からか、登山道に着き、我を忘れた面々が思い思いに自己を表現。 生還を体の底から祝った。 本当に素晴らしい展望で、かなり満足。 ただ、本当なら大源太山に登るところだが、誰もそんな気力はなく、 全員一致で即刻下山が決まった。 |
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13:36 下山開始。 急いで帰りたかったので、結構急ぐ。 だが、極度の体力消耗で、限界が近づいてしまった。 何度も気力を振り絞って山を降りてゆく・・・。 14:43 入渓地点に到着。 2回も休憩したのに1時間ほどで戻って来ることが出来た。 後は駐車場まで簡単な道を行くだけ。 ようやく元気が出てくる。 15:10 駐車場到着。 長い長い活動がここで終了した。 ようやく肩の荷が降り、一段落。 帰りは岩の湯(入浴料400円)へより気分良く帰宅。 だがしかし。 この後高速でお盆帰省の凄さを味わったことは言うまでも無い・・・。 |
各人雑感
寺内 | 久しぶりにどっと疲れた活動となった。 さすが上越と思いっきり感じた。 今回、上越の沢初が2人もいたので、上越の楽しさを感じてもらうつもりだったのだが、 逆にトラウマとなっていそうで怖い・・・。 それほど厳しい活動になってしまったのだった。 また、自分の体力の衰えを相当感じた。 30分に2回も休憩を取らないとダメとは・・・。 これは毎週行って鍛えるしかないな。 |
吉川 | 初めての上越の沢は非常に楽しかったが意外にハードだった。 途中藪こぎで1人迷走し、崖にしがみつく握力がなくなってしまったときは「死ぬかも知れないな〜」と久しぶりに思った。 しかし、そんな状況が続いたせいか最後の方ではクライマーズハイ的状態になり、 その前までビビりながら登っていたスラブを気づいたらホールドの有無も確認せずに駆け上がっていた。 まぁとりあえず生きてて良かったです。 |
上野 | 今回の活動では何度も死の恐怖と直面した。 前日の夜テントで見た星空が人生最後の夜になるかもしれないと本当に思い、なかなかのトラウマとなった。 道に迷ったかもしれないという絶望の中、登山道に出た時はもの凄い幸福感を味わえた。 道を示していただいた探検部の方達にはお礼を言いたい。 また、いろいろと援助をしていただいた寺内先輩にも感謝の意を込める、ありがとうございました。 |
岸本 | 長かった。 滝が楽しかった。 疲れた。 楽しかった! |