文:寺内
活動日 | 2010年6月12日 |
活動場所 | 東京都西多摩郡檜原村南郷 矢沢 軍刀利沢 |
メンバー | 3回生:田代、渡辺 2回生:岸本 1回生:柳 OB:寺内 |
使用した装備 | 特になし。(8mm40mザイルを持参) |
参考資料 | 白山書房 『東京周辺の沢』 |
活動の目的・目標 |
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タイムスケジュール | 11:40(駐車スペース出発)−12:35(軍刀利沢出合)−12:42(2条6m滝) −13:12(2段10m)−15:05(三国山山頂)−15:25(下山開始) −16:32(矢沢林道終了地点)−17:15(車回収) |
主観的評価 | 総合グレード:★★★☆☆☆☆☆☆☆(初級) 出てくる滝はどれも迫力があり見ごたえがある。 だが、そのほとんどは簡単に登れ、厳しいものには巻き道にロープがある。 とにかく景観が良く、ツメも簡単で、初心者でも中級者でも誰でも楽しめそう。 ただ、下山で使用した仕事道が凄く荒れている上、 伐採作業で車が奥に入れなかったことが痛い。 アプローチと下山の面で、全くの初心者が来るのは少し怖い気がする。 遡行時間:2時間30分 下山1時間50分 |
遡行図 DLはこちら 写真付はこちら |
09:10 中央大学を出発。 レンタカーに乗り込み奥多摩を目指す。 意外と混んでいたので、近い割に時間がかかってしまった。 途中、警察が取り締まりをやっていたのだが、 前の車両が遅かったため、後に続いていたウチラは何事もなかった。 が、こんなところでやっているのかと、今後考えさせられることとなった。 11:18 矢沢林道の駐車スペースに到着。 本来ならかなり先まで入れるはずが、伐採作業をしていて入れなかった。 そのため、矢沢林道の序盤から歩くことになってしまった。 |
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11:40 出発。 そもそも車が入れる道ではあるので、非常に歩きやすい。 そして天気が良く、気温も良い感じなので、期待が膨らむ。 このまま維持してくれればいいが・・・。 途中、矢沢に支流があったので読図訓練。 林道にまた上がるのも面倒なので、そのまま沢を進んでみた。 しかし、倒木が多く、時間がかかりそうなので 橋にかかったところで林道に戻った。 |
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12:21 伐採作業現場に到着。 クレーンで作業していて、とても入れる雰囲気ではない。 しかたないので、沢に降り、迂回することにした。 |
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沢を先に進んでいくとすぐに堰堤があったので、再び林道に戻る。 堰堤の上はまさに伐採作業をしている場所で、 倒された大木が転がっていた。 そして林道上には枝と油が散乱していて、なかなかに歩きづらい。 先行きが非常に不安になってきた。 |
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12:35 軍刀利沢出合。 林道からもすぐ見え、木には赤テープが貼ってある。 しかもご丁寧に「軍刀利沢」と書いてあるので、間違うわけがない。 もちろん一応読図はする。 |
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12:38 軍刀利沢入渓。 いきなりのゴルジュに驚く。 しかも異様に狭い。 人一人くらいのゴルジュが続く。 最初に現れた幅広3mは、左から快適に越えた。 |
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12:42 4mナメ滝と2条6m滝。 奥多摩らしい綺麗な滝。 2条の滝は右から簡単に登れた。 この滝を越えるとしばらく河原歩きになる。 ところどころナメになり、すこしばかり倒木が目立った。 途中現れる逆くの字滝は左から楽々越える。 |
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13:00 8mナメ滝。 写真のように左から越えた。 釜が連続したゴルジュ帯が続き、皆すでに胸まで浸かっている。 前回の沢ではまだ寒かったが、この時は気温が高く、 平気で泳ぐことが出来た。 |
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13:12 2段10m滝。 いきなり越えられそうのない滝が現れた。 右の広いスペースを見てみると上のほうにしっかりした残置ロープが見える。 そこまで上り、ロープを利用して落ち口まで巻いた。 巻き道は高度感はあるが、難しさはない。 落ち口からは釜と小滝が続く。 すると左から支流が現れ、右には石垣がある。 遡行図には炭焼き小屋と書かれているが、もはやそうかどうかはわからない。 |
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13:33 6m滝。 核心部と書かれていた6mは簡単に登れてしまった上に、 写真写りも悪かったので割愛。 過去の記録を見ると、今回はかなり水量が少なかったようで、 そのおかげで楽に突破できたと思われる。 そのすぐ上部にあったのがこの6m滝。 むしろこっちの方が難しく、体全体を使って突破した。 |
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6m滝を越えると、少し平和な小滝が続く。 ナメを進んでいくと5m滝。 水流右を行くと少し難しめだが、それほどでもない。 左から簡単に巻くことが出来る。 13:50 8mナメ滝。 直登は怖いので、今回は簡単な巻きルートを行く。 右側に、登るためのロープと、トラバース用のロープ2本が残置されていた。 |
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左から湧き水のような支流を眺め、細長い淵を越える。 またゴルジュになってきたなと思っていると5mほどのナメ滝。 直登も簡単なのだが、右には太い残置ロープもある。 14:06 10mナメ滝。 右斜め上にまたもやトラバース用の残置ロープ。 簡単に巻くことができる。 |
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そこから先は平凡な山道。 4mチョックストーン滝を越えると、階段状の小滝。 そしてこの先の支流で水が涸れた。 10mほどもある涸れ滝を越えると、写真のような斜面になる。 しばらく進むと稜線が上に見え、全く迷うことなく、簡単に登山道に出た。 最後の分岐は右に行くとそのまま三国山に出ることができる。 |
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15:05 三国山山頂。 ベンチやテーブルも設置されている、非常に居心地の良い山頂だ。 遠くの町まで見え、なかなかに景色も良い。 ある程度くつろぎ、装備を解除しながら出発の準備をする。 15:25 下山を開始する。 今回は仕事道を通り、矢沢林道に出る予定。 地図にない道なので少々不安である。 |
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途中、生藤山に行く道があったが、 これ以上登るのも嫌だったので、分岐は巻きルートを進む。 さらに進むと分岐があり、醍醐丸・和田峠方面へ。 少し行くと、また看板がある(写真)。 仕事道はここから始まっていた。 尾根を行くような形でのびているが、すぐに右に折れ、 登山道の下を行くようになる。 |
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途中途中にテープがあり、しっかり確認しながら行けば迷うことはない。 長い杉林を抜けると小屋があった(15:57)。 ここまでは多少荒れてはいたが、そこそこ歩きやすい道が続いていた。 |
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小屋から先は地獄。 誰も通らない荒れた仕事道は、とげのある植物に占領されていて、 掻き分けるたびに刺さって痛い・・・。 メンバーの何人かは虫に刺されたように赤く腫れ、毒じゃないかとびびる。 割と人工物の多い道ではあるので、道はわかりやすい。 石の階段を進むと矢沢の上流部に出た。 沢に沿って道が進み、またも草を掻き分けて進む。 |
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16:32 矢沢林道の終点に到着。 久々のコンクリで橋が架かっていた。 ここからは車が通れるような道なので安心。 と思っていたらまた荒れてきた。 さすがに今は誰も来ていないようで、倒木や草が多い。 ようやく落ち着いてきた頃、ちゃんとした林道に戻る。 あとは車まで行くだけなのだが、林道のスタート地点に車があるので、 結構長い道のりであった。 17:15 車デポ地点に到着。 遡行も下山も予想以上に長引いてしまった。 |
各人雑感
寺内 | 前回に続き、またもや初の沢。 今回は初心者に視点を置いた活動にしたかった。 クドレ沢と違い、倒木も少なく、特に釜や滝の素晴らしさが際立ついい沢であった。 さらにツメもわかりやすい上に簡単であり、沢に文句は全くない。 ただ、下山が少々厳しかった。 道に迷うことは無かったが、荒れ放題でヤブコギ状態。 結構怖い地点もあった。 さらに車が奥に入れず、かなり歩いたこともマイナスだ。 初心者を連れて行くなら、簡単に帰れることが非常に重要だと思う。 じゃないと沢にトラウマを覚え、沢に二度と来なくなる可能性もあるし・・・。 そういった点では初心者向きではないのかな・・?とも思える。 だがしかし、ある程度沢を経験した人にとっては非常に楽しいと思われる。 ここまで快適に勧める沢も珍しいのでは? 近所だし、また来るのも悪くないとも思った。 |
田代 | 沢自体は滝が高いわりには登りやすく、ボリュームにも満足。 下山が足場が悪くげんなりだったが、全体的に行って良かったと思えた。 気候にも恵まれたのも素晴らしく、先輩が来てくれたのも読図の訓練になった。 しかしなぞの植物にやられた右腕の痺れは未だ健在… |
渡辺 | 鬼! ヤバすぎ! 今1番マブくて激アツな沢! 滝がめっちゃあって俺らのニーズにマジフィットってゆうか まぁ下山はパネェっす マジ完璧な読図はさすが先輩ッス。 俺惚れましたょいやマジでマジで 俺、今夢があるんすっよぉ 俺も先輩みたく「伝説のサワラー」って呼ばれるようなマジ神な存在になりてぇ っつうかビッグになりてぇんすよぉ つまり1日で完結できる沢としては最高。 滝も多くておもしろい。 下山はキツい。 読図は先輩のスキルの高さがヤバかった |
岸本 | 久方ぶりに出会った、きれいな釜、淵、ナメのある沢だった。 死の恐怖を感じる滝も2つくらいあったが、個人的には大歓迎てな感じで。 そしてこの沢で一番よかったのはゴルジュ帯。 見れてよかった。 そんなこんなで楽しくてあっという間に終わってしまったと思えるようないい沢だった。 対照的に、下山道の悪路レベルには絶望した。 |
柳 | 新歓での葛葉に続き、人生で二度目の沢登り。 今活動は新入生が自分だけということもあり、情けない姿を先輩には見せられまいと意気込みつつ活動開始。 葛葉では特に問題もなかったので、初級の沢には負けはすまいと心の隅でタカをくくっていたが、 開始数分で己の認識の甘さを痛感せざるを得なかった。 先輩方がスイスイと登っていく場所で手間取る、手を貸して頂くなど完全敗北。 沢登りの厳しさを切に体感する結果となった。 ・・・これで初級とは末恐ろしい。 しかし軍刀利沢自体はなかなか多様な沢があり、面白い。 風景も澄んだ水や苔などが風情があったりと非常に満足感溢れる活動だった。 田代先輩は下山に不満げであったが、厚手のジャージを着ていたからか特に不満はなかった。 知識の点でも今活動はとても勉強になった。 読図は難しいのでしっかり勉強しておこう・・・。 綺麗で楽しい場所だったので、来年までには修行を積み、新入生に示しがつくぐらいまでの知識と技術を身につけ再度この沢に挑戦したい。 |